初めてナンパで付き合った子との話1
少し前の話。
平日の夜、私は所用があり恵比寿駅から少し離れたところを歩いていた。
たまにナンパのために来る街だ。しかし今回は違う。
そのせいもあってか、完全に気を抜いて街を歩く。当時仕事が忙しかったこともあって、明日の仕事をどう進めようかなーなんて考えていた。
その時、前からコツコツという足音が響く。
私はふと前を見た。
美女だ。
大きい目と綺麗な鼻筋。色白ですこし細めのスタイルは完全にタイプの女性だった。
私は固まってしまった。
息ができなかった。急に美女が来たことに対して、なんの心構えもしてなかったからだ。
頭の中に言い訳がよぎる。
きょうはナンパする日じゃないんだ。しょうがない。髪もすこし乱れてるし。
この後待ち合わせがあるし、相手はまだ来てないけど、早く行かなきゃ。
瞬時に言い訳の天才と化した。
声をかけない理由が頭の中にいっぱい出てきた。
そして美女は過ぎ去って行く。
それと同時に、俺はなんてバカなんだ、と自分自身に罵声を浴びせる。
ナンパしている人なら分かると思うが、自分のタイプの子なんて、1日中探してもそんなに見つからない。
すれ違えるだけで貴重なんだ。それなのに、そこで固まってしまったら、いつも何のためにナンパしてるんだ?アホか。
次第に心に後悔が支配して来る。
ナンパするときにいつも頭に思い浮かべる事がある。
「ナンパを断られても人生に1ミリも傷を残さない。しかし、勇気を出して声をかけることが出来たなら、人生が変わるかもしれない」
もちろん悪い方向に人生が変わるかもしれないけれども。
自分で行動した結果、そうなってしまっても納得はいくだろう。
心が後悔の波に飲み込まれそうになった時、私は振り返った。振り返って彼女を探した。
しかし彼女はもういなかった。
やってしまった。
いつもなら完全に諦めていた。
だけど今回は違った。
彼女を思い出して、思考を巡らせた。
もし、彼女が仕事帰りで、なんの予定もなければ駅に向かっているだろう。
でも、もしかしたら途中で買い物をしていたり、友達と約束があるかもしれない。
駅に向かってるのならば、走れば間に合う。
私は駅に向かって走った。
彼女がまっすぐ駅に向かってることを願った。
運が良かった。
彼女は駅前の階段を登っていた。
いざ、目の前に彼女を見るとビビってしまう。言い訳の天才がむくむくと心の奥底から顔を出す。
私はそれを押さえつけて、彼女に声をかけた。
「待って!」
「はい?」
走ったせいで息が切れてうまく喋れない。
その後のセリフが出てこなかった。
「知り合いでしたっけ??」
彼女が再び口を開いた。
「そういうわけじゃないんだ」
彼女は全くこの状況が理解できていないという感じで、いぶかしさと、息を切らしている私をみてちょっと面白いという感情が混ざり合ったような、なんともいえない表情を浮かべていた。
だめだ、何か話さないと。自分を落ち着かせた。深呼吸。
そこからはいつものセオリーでトークを展開する。
自己開示、なぜ話しかけたか、今後どうしていきたいか。小さい笑いを作って警戒心を解く。表情。振る舞い。声の大きさ、トーン。全てに注意を払う。
※いつものトークに関する記事は↓↓
ナンパで美女との出会いを量産する声かけ方法 - それでも俺は恋をする。
しばらく彼女は考えた。この状況で私と関わってよいのが吟味している感じに見受けられた。
「正直こういう感じで出会ったことが無いので、信頼できません。」
私はもう一押しした。
あなたのことが気に入っている。その感情を伝える。
「まあ、、、わかりました。いま仕事が多忙なので、3週間後くらいなら空いてるかもしれないです。」
まじか。
自分が声をかけておいて、まさか会ってくれるとは思わなかったので、ちょっと驚いた。
でも3週間後。本当に会えるかは五分五分くらいか。だかこれ以上粘ってもしょうがない。
「おっけー!また連絡する!」
連絡先を交換した後、彼女は駅の中に入っていった。
ジワジワと喜びが体の内側から漏れ出てくる。
彼女と会えるかもしれない喜びなのか。
それとも、意を決して行動することができた自分への満足感なのか。どちらかは分からなかった。
LINEもフルネーム。これは大きい。
LINEの名前が、変な名前やあだ名だけの場合は正直それだけで萎える。
自分の中のメンヘラセンサーが警鐘を鳴らす。
一方でフルネームの場合はかなりテンションが上がる。遊び人でない、キラキラしすぎてない、まともな感覚の持ち主。感覚値だが、大体合っていると思う。
連絡先交換の時、まあまあ渋っていたにも関わらず、彼女からの連絡はあっさりと帰ってきた。
その後のラリーも上々。
最近はラリーの雰囲気で会えるか会えないか分かるようになってきた。
これは会えるやつだ。
そこから約束の日まで、大量の仕事をさばきながら、彼女と会う日の戦略を考えていた。
わたしは本気でナンパで将来の相手を見つけようとしている。
もちろん絶対にナンパで結婚したい!て思っているわけじゃなくて、もちろん友だちの紹介とかでもいいのだが、自分は今のところ、ナンパに一番可能性を見出している。
もちろん、ナンパから将来の相手を見つけるのは厳しいという、一般の意見は大いに理解できる。「軽い女しか引っかからない」「性格がやばい」「世間体」など色々な意見はあるだろう。
自分もこの問題については、いろいろと考えたことはある。
でも色々な女性と関わってきた中で、ナンパで出会って、見た目も心も素晴らしい女性はたくさんいたし、友達の知り合いでも、この人やばいなって思う人はたくさんいた。
結局は、どう出会うかは問題では無く、どんな人と出会うか。この1点に尽きるという結論に至った。
(ナンパのやり方によって出会う人は変わると思う。軽いナンパをしてたら軽い人しか引き付けないのは当然だ。やり方は長くなるので省略)
結局、ドタキャンや連絡が途絶えるなどのことも無く、無事当日を迎えることが出来た。
1度目のアポ決戦が始まる。
つづく