彼女に魅了されたパーティの夜【パーティ後編】
人生とは自転車のようなものだ。
倒れないようにするためには
走らなければならない。
ーアインシュタインー
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パーティ前編はこちら。
各出会い方考察。そしてパーティに行ってみた。【パーティ前編】 - それでも俺は恋をする。
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ある日、チェンから電話がかかってきた。
「なあなあyuji、どっか面白い所に行かないか」
チェンは大学時代からの悪友だ。こいつとは昔いろいろしたなあ。懐かしい。
今でも彼とは勤務地も同じなため、付き合いが続いている。
「面白いことってなんだ。」
「決まってるだろ。ただ外は寒い。パーティでもいこうか」
パーティか。最近は顔も出していなかったが、久しぶりにやるか。
いつもは違う相方とパーティに行っていたが、今回は彼とウィングを組むことにした。
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パーティはいつものプレミアムステイタスパーティ だ。
東京ではこのパーティが一番優れている。
価格も高くないし女性のレベルも悪くない。
1人でも全然参加できるが、2人以上をおすすめする。
女性も2人以上で来ている人がほとんどだからだ。
今回の目標はこうだ。
パーティの2人組グループを連れ出し恵比寿にて連れ出し→チェン宅にてコンビ即。
そのための戦略を考える。パーティは2時間半。
最低3組のグループと和み、連れ出し出来るストックを確保、ここまでに2時間。
そこから、可愛いグループの順に連れ出し打診。
打診が通ったグループと居酒屋もしくはチェン宅へ。
セパして即という流れだ。
2人でパーティに行くのは初めてだが、お互いに根拠の無い自信が湧き上がってきていた。
幾度となく危機を乗り越えてきた二人だ。大丈夫。やれる。
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チェンと駅で落ち合う。
17:45 恵比寿。
すでに会場には行列ができていた。並んでいる男女はみな、期待感からか、緊張からか顔がこわばっているように見える。
受付のお兄さんに名刺と身分証を見せて、更に奥に進み受付のかわいいお姉さんにお金を渡す。
中に入る。すでにたくさんの人がいる。
友達と居心地が悪そうにキョロキョロしている女の子。
緊張しているのか手持無沙汰なのか、ずっとお酒のグラスを口につけてちびちび飲んでいる男性。
ハゲちらかしたおっさん。
すでに和やかに和んでいる男女。色々いた。
立食パーティでは立ち振る舞いが非常に大事だ。
皆が自由に視線を動かせる。座っていないので猫背も丸見え。
緊張してキョロキョロしたり、腕を組んで落ち着かない様子なんて出してもいけない。
マインドはクラブの作法に似ている。でもクラブより落ち着いて。
今日は誰よりも俺たちがイケてる。場に呑まれない余裕。
ただ多少の初々しさもスパイスに。
パーティに来まくってますオーラはキモい。ここらへんのチューニングを大切に。
とりあえずチェンとビールで乾杯。まだ全員が会場に入っていないので、ウィングと話しながら全体を見渡す。
となりにいる女性と軽く話しながら口の体操をする。
パーティに来たらわかるが、イケてない男が7割だ。びっくりするくらいイケてない。のこり3割との勝負。
女性はキレイな人が3.4組。残りはノイズだ。
司会らしき男性がマイクごしに試合開始のゴングを鳴らす。
与えられた時間は2時間半。ウィングとがっちり握手を交わした。
さあ、ゲームの始まりだ。
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■STEP1-2 声掛け、和み
<STEP1 声掛け> 18:00~20:00
状況にあったオープナー(きっかけの一言)を使う
例)「やあ、パーティは初めてかい?」
<STEP2 和み> 18:00~20:00
会話により価値観を引き出し、理想の男を演じる。
例)身代わりルーティン、恋愛遍歴引き出しゲーム、彼氏いるのになんでここにいるのルーティン
@このステップで連れ出し案件を3件確保しておく。信頼、安心感を与えておく
スタートから狙っている女性に声をかけないのが鉄則。
まだ場が温まっていないのと、参加女性が緊張している。
相手が緊張しているとラポールを築く難易度が上がる。
始めに誰かと話させると場にも慣れてきて女性が勝手にオープンになる。
身代わりルーティン。
スタートから15分。2人組グループに話しかける。
看護師のペア。スト値7とスト値4。
「やあ。パーティって人多いね。」
「そうですねー。初めてなので緊張してます。」
ペアの場合はどちらが主導権を握っているかを確認するのは鉄則。
それはお互いの空気、話す態度で判断できる。
主導権はスト値4にあるようだ。スト値4の方を盛り上げ、褒める。価値観ヒアリングも欠かさない。
チェンが袖を引っ張る。そうだな、そろそろか。即座にナンバークローズ。放流。
続いて、スト値7の清楚系2人組。背が高いキレイ系と背がちっこい華奢な可愛い子。
最初からこのペアが今回のパーティで一番綺麗だとマークしていた2人組だ。
ただ初めからアメフト系男子2人に捕まって中々離れない。
そろそろ女子も他の男と話したそうだ。当たり前だ。せっかくパーティに来たのに1組としか話さなければ、ただの合コンではないか。
アメフト男と話していた清楚系女子の1人と目が合う。チャンスだ。
すかさずその女子に手招き。すると、なんなくアメフト男との会話を中断しこちらに向かってきた。
手招きデストロイヤー。
ただしこのルーティンは楽しそうに和んでいる相手に使っても効果を発揮しない。それどころかキモい男に成り下がるので注意が必要だ。盛り上がっていない相手に堂々と手招きするのがコツだ。
清楚系と和む。普通の会話にちょっぴり楽しい冗談を。
ここはクラブではない。パーティだ。あまり調子にのって笑わせようとしたりイジリすぎたりすると逆効果になりかねない。「彼氏何人いるの?笑」などは言わないほうが吉。
yujiは背が小さい方と中心に和む。話が面白いし何より仕草が可愛い子。
さらに京都出身の関西弁。タイプだ。yujiは彼女に魅了された。
チャラいでしょと言われた。危ない。
もっと疑って。疑ってくれたほうがそうじゃない時のギャップが働くから。
彼女は笑った。楽しかった。
チェンも、俺がいつもと違うことに気づいたようだ。
チェンがyujiを見た。思わず顔を下に向けた。
そうこう和んでいるうちに、パーティ開始1時間半ほどで行われるビンゴ大会が始まった。
これは恒例行事。ビンゴが行われている間は皆そちらに集中するため、新規に声をかけるのはNG。盛り上がらないため止めておく。さきほどまで和んでいた相手と楽しむか、休憩タイムとする。
逆に別の男と和んでいた案件が、空く可能性もあるため狙っている相手をマークするのも良い。
我々は充分に清楚系お姉さんと和んでいると判断し、ナンバークローズ。
ビンゴ大会が終わるのを待つ。
19:40。
20:00までに和めるのはあと1人組くらいか。我々は最初に絞り込んでおいた3組のうち最後の1組を探した。
パーティの終了時間は20:30だが1つ注意することがある。
いい案件はパーティに飽きて30分前に帰ってしまったり、男に中盤で連れ出される可能性があるのだ。だから20:00までには狙っている案件と和んでおいたほうがいい。
パーティでは女性もある程度積極的なため、「話しかけていいですか?」と声をかけてくる場合も多い。これに応じてしまうと時間を消費するばかりか、狙っている女性も見失いかねないので、断ってしまったほうがいい。時間は有限だ。
そうこうしているうちに最後の1組を発見。運がいいことに男と離れたところだった。
パーティでは珍しいギャル二人組。顔は可愛いが、yujiは苦手なタイプだ。すかさずチェンが話しかける。
「お疲れ様。そろそろ疲れてきたでしょ笑」
もう話しすぎて疲労困憊だよ。おとなしめのギャルが笑って答える。
チェンがギャルと和んで見せる。すごいなあ。俺にはそんなに彼女らを笑顔にさせる自信は無い。
いや。経験したことがないからビビっているだけだった。
チェンにおんぶに抱っこでナンバークローズ。彼に感謝。
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■step3 連れ出し
<step3 連れ出し> 20:00~
確保した案件にスペックが高い順に直接連れ出し打診orLINE、電話打診。もしくは今和んでいる1組以上のスペ高がいないと判断されれば、そのまま打診。パーティを出て居酒屋もしくはチェン宅へ向かう。
例「そろそろ疲れたから、休みに行こう」「もっと喋りたいから出よう」
ギャルを放流して、気づけば20:10になっていた。
ちょっと時間オーバーだ。周りを見渡す。チラホラ帰ったのだろうか、すこし人が少なくなっているようだった。
ここまでで確保している案件は3件だ。その中で一番よかったのは、2組目の清楚系二人組。2番目はギャル、3番目は看護師だ。
清楚系2人組を探す。周りを見渡す。
おかしい。彼女らが居ない。フロアを歩き回る。
くそ!!3組目と和んでいる間に,誰かに連れ出さたか!!
あわててLINEを送る。5分、10分。既読にはならない。
胸が痛かった。yujiは彼女に魅了されていた。すがるような気持ちだ。
今繋がらなくても、次回遊ぶだけでいい。そんな気持ちを持ってしまっていた。
人混みをかき分けトイレに向かって顔を洗う。
この弱い気持ちから抜け出したかった。必死にPUAの格言を思い出そうとしていた。
「PUAは常に失う覚悟を持っている。」
そう、PUAはどんな状況でも、常に失う覚悟を持ちながら接している。
失っていいと本気で思っている。他のもっといい女を手に入れることができると信じているからだ。そこから来る余裕が、さらに女性を引きつける。
しかしyujiは覚悟が無かった。繋がりさえすればいいと思っていた。
すがるような気持ちだった。
「yuji、まだ他にもいるぞ、ほらギャルを連れ出そう」
チェンが後押ししてくれた。
入口付近でコートを着るギャルらに声をかけて居酒屋に連れ出そうとしていた。
そこに1件のLINEが。「いま渋谷に移動して飲んでるよ」
「チェン、いいか」
チェンは頷いた。ギャルにはまた遊ぼうと伝え我々は渋谷に向かった。
彼女らは疲れて8時前には抜け出し、渋谷の居酒屋で反省会をしていたそうだ。そこに我々が合流し、改めて和んだ。
お会計を済まし、別の飲み屋を探すフリをした。
yujiがチェン宅で飲もうと打診。チェンはそれを嫌がるフリをした。彼女らもyujiの仲間になってくれた。チェンが嫌々ながら承諾する。4人でタクシーに乗り込んだ。
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■step4 コンビ即
<step4 コンビ即> 22:00~
チェン宅で飲み会しそのまま部屋内セパレート、即。
例:チェン宅のスパークリングで乾杯。宅飲みルーティン(山手線ゲーム、ニョッキ)からのアルコール注入。雰囲気ができたら一気に部屋内セパレートもしくは買い出しセパレート。ギラ。
家について早速カクヤスで購入したスパークリングワインを開ける。yujiはアルコールが強くないため、こっそりジンジャエールを注入。
京都子と和む。ゲームをしながら雰囲気が出来上がる。
ダブルキス。リビングから奥の部屋に手を引く。キス。ノーグダ。ギラ。グダ。
「友達がいるからダメ」
おそらく形式ではない。
友達そんな姿は見せたくないのだろう。しかしリビングからはキスの音が聞こえる。
「おれら買い出しに行ってくるね。」
買い出しルーティン。
京都子と出る。階段でキス。
そのままホテルに向かう。ノーグダ。即。
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チェンも無事に即できたという連絡があった。
今回は運が良かった。たまたま連絡がついた。
そしてオンリーワン中毒になってしまった。感情の制御がまた上手ではない。
パーティでの振る舞いの改善点もたくさんあった。事実、二人組を見失ってしまったのは失態だった。
まだまだやるべきことはたくさんある。
こうしてプレミアムステイタスパーティが幕を閉じた。